【依頼内容】地球は本当に丸いんですか?
「地球は丸い」とよく聞きますが、果たしてそれは本当でしょうか?
地球の形について2パートに分けて解説します。
今回は地球の概形が明らかになるまでの科学的な背景を時系列に沿ってみていきます。
地球平面説
紀元前数百年前まで、人々は地球を円盤状であると考えていました。
地球が円盤状であるという考え方を地球平面説といいます。
今となっては信じられないかもしれませんが、当時はGPSのように地球を俯瞰的に観ることができる技術はないので、このような地球を想像していても不思議ではありません。
地球球体説
当時、地球平面説が主流だった中、ある人物が地球が球体であるという説を唱えました。
地球が球体であるという考え方を地球球体説といいます。
地球球体説を最初に提唱したのは三平方の定理を発見した人物として有名なピタゴラスだと言われていますが、これは諸説あるようです。
これを機に地球球体説は少しずつ普及していくことになります。
アリストテレスによる地球球体説の証明
紀元前4世紀ごろになると、アリストテレスという人物が2つの観測事実をもとに地球が球体であることを主張しました。
根拠1:月食の際に月に映った地球の影が丸かった
1つ目の根拠は月食の時に月に写りこんだ地球の影が丸かったことです。
アリストテレスは月に写りこんだ地球の影はいつ見ても丸いということに気づきました。
影が常に丸いということは、どの角度から見ても「円」である、つまり地球が球体であるということを意味しています。
根拠2:星の高度が場所によって変化した
2つ目の根拠は、星の高度です。
高度とは観測者が星を見上げたときの地面からの角度を指しています。
ここで、地球が平面の場合と地球が球体の場合で、星の見える高度がどのように異なるか比較してみましょう。
前提として、星は地球から遥か遠くにあるため、星からの光は地球のどこにいても平行に届いているものと仮定します。
このとき、地球が仮に平面な円盤状であった場合、地球のどこにいても星の見える高度は同じになるはずです。
一方で、地球が球体である場合、星から見た地球の平面の角度が場所によって異なるため、星の見える高度も変化するはずです。
では実際の観測ではどうだったかというと、
星の見える高度は場所によって変化しました。
以上の根拠により、アリストテレスは地球球体説を証明しました。
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