しかし、それを一つひとつ人間の目で探すのは不可能に近い作業…。
そこで注目されているのがAI(人工知能)を使った天体探索です。
この記事では、AIを用いた最先端の天体探索方法について紹介します。

AIが宇宙観測データを解析する仕組み
現代の天文学では、地上の望遠鏡や宇宙望遠鏡によって、毎晩膨大な観測データが記録されています。例えば、1晩で数百万枚もの画像データが撮影されることも珍しくありません。人間の研究者がこれをすべて確認するのは不可能です。
ここで活躍するのがAIの画像認識技術です。AIは、既知の天体のパターンを学習し、通常と異なる光の点や動きを自動で検出できます。これにより、人間の目では見落とすような微小な変化も捉えることが可能になります。
実際にAIが発見した天体の例
1. 新しい惑星候補
NASAのケプラー宇宙望遠鏡が集めたデータをAIで解析した結果、人間の研究チームが見つけられなかった系外惑星候補が発見されました。AIは惑星が恒星の前を通過する際の「わずかな光の減少」を敏感に検出し、未知の惑星を浮かび上がらせたのです。
2. 銀河の自動分類
スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)の観測画像をAIに学習させると、数百万の銀河を渦巻銀河や楕円銀河などに分類することができます。これにより、宇宙の大規模構造の研究が効率化しました。
3. 超新星や高速電波バースト(FRB)の検出
突発的に発生する超新星爆発やFRB(高速電波バースト)は、人間の目では膨大なデータから探すのが困難ですが、AIが異常なパターンをリアルタイムで検出することで、発見が加速しています。
AIが得意とすることと不得意なこと
AIは「大量のデータの中からパターンを見つける」ことに非常に優れています。そのため、人間が処理できない膨大な観測データをスクリーニングし、興味深い候補を抽出する役割に最適です。
一方で、AIは「それがどのような天体であるか」「物理学的にどう解釈すべきか」という理解は苦手です。最終的な判断は、人間の天文学者がAIの示した候補を精査し、理論に照らして確認する必要があります。
これからの宇宙探査とAIの可能性
今後の宇宙探査計画では、AIの役割はますます重要になると考えられています。特に、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や、次世代の大型望遠鏡「LSST(ヴェラ・ルービン天文台)」などが観測するデータは桁違いの量になります。
AIはこれらのデータから、これまで人類が知らなかった小惑星・彗星・系外惑星・新しい天体現象を見つけ出す可能性があります。つまり、AIは人類の「宇宙の目」を大幅に拡張する存在なのです。
まとめ
AIは、宇宙の観測データから新しい天体を見つける強力なツールです。実際に惑星候補や超新星の検出など、すでに成果が上がっています。ただし、AIだけで発見が完結するのではなく、AIと人間の協力によって宇宙の謎が解き明かされていくのです。
これから先、私たちが「AIによって初めて見つかった銀河」や「AIが先に気づいた地球型惑星」に出会う日は、そう遠くないかもしれません。


