前回は私たちが子どもの頃に手にした竹とんぼについて解説しました。
一方で、現代の技術の結晶ともいえるドローン(マルチコプター)。
この2つの飛行体には、一見まったく違うようでいて、実は空気力学の共通原理が隠れています。
この記事では、まず竹とんぼの飛行原理を簡単に振り返り、そこからドローンの飛行メカニズムを詳しく解説します。
最後に両者を比較しながら、空を飛ぶための共通の原理を探っていきます。

竹とんぼの仕組み(復習)
竹とんぼは、軸を手のひらでこすって回転させると空気を下向きに押し出し、その反作用で上昇します。これが揚力です。竹とんぼの羽根はわずかにひねられており、このひねりによって回転運動が揚力に変換されます。
また、竹とんぼは自ら推進力を持たないため、回転と同時に空気抵抗によって減速しながら落下します。つまり、竹とんぼは一時的に浮き上がるだけの非持続飛行体です。
ドローン(マルチコプター)の基本構造と飛行原理
現代のドローンは、一般に4つのプロペラを持つ「クアッドコプター」型が主流です。各プロペラは電気モーターによって個別に制御され、飛行・旋回・ホバリング(空中停止)などが可能になります。
- 垂直上昇・下降:全プロペラの回転速度を均一に上げ下げ
- 前後・左右の移動:一部のプロペラの回転数を変化させて傾きを生み移動
- 旋回(ヨー回転):対角のプロペラの回転方向を反対にしてモーメントを制御
つまり、ドローンの飛行は空気を下向きに押し出す力(揚力)と、精密なモーター制御によって実現されているのです。
ドローンの構造についてもう少し詳しく見てみましょう。
この画像は、ドローンの構造のイメージです。

画像に描かれている主な構成要素:
- メインフレーム(Chassis): ドローンの骨組みとなる部分です。
- プロペラ(Propellers): ドローンを浮上させるための回転翼で、時計回り(Clockwire)と反時計回り(Counter Clockwise)のものがあります。
- モーター(Brushless Motors): プロペラを回転させるための部品で、4つのアームの先端に取り付けられています。
- フライトコントローラー(Flight Controller): ドローンの頭脳にあたる部分で、モーターやバッテリー、その他のセンサーを制御します。
これらの部品が、組み立て前の「分解図(exploded view)」として配置されており、それぞれの部品がどのように組み合わさっているかが視覚的に理解できるようになっています。
竹とんぼとドローンの共通点
両者は回転する羽根(ローター)を用いて空気を押し下げ、その反作用で浮上するという点で共通しています。これがニュートンの第三法則(作用・反作用)です。
また、羽根(プロペラ)のひねり角(迎え角)によって空気の流れを制御し、揚力を発生させる点でも同じです。つまり、ドローンのプロペラは電動で竹とんぼの羽根を回しているのと同じような原理で浮いています。
異なる点:持続性・制御性・テクノロジー
- 持続性:竹とんぼは一度飛んだら落ちるが、ドローンは持続的に飛行可能
- 制御性:竹とんぼは制御不能だが、ドローンはリアルタイムで姿勢制御
- 動力源:竹とんぼは人力、ドローンは電気モーター
- 応用性:竹とんぼは遊び、ドローンは空撮、物流、災害対応、農業など多用途
実は竹とんぼから学べるドローン技術
子どもの遊びである竹とんぼには、回転翼の原理・重心設計・羽根のひねりなど、現代のドローンにも通じる基本が凝縮されています。例えば、プロペラのひねり角の調整は、揚力と安定性のバランスにおいて非常に重要で、これはまさに竹とんぼの羽根設計と同じ考え方です。
まとめ:昔遊びから未来技術へ
一見、単純な竹とんぼ。しかし、その原理はドローンの飛行メカニズムと本質的に同じです。子どもの遊びの中に、すでに最先端技術のヒントが隠れていたという事実に驚く人も多いでしょう。
ドローンの技術が進化しても、空を飛ぶという物理法則の基本は変わりません。竹とんぼを理解することは、ドローンを理解する第一歩でもあるのです。


