「2025年7月に巨大災害が来る」という噂が、SNSや動画サイトなどで広がっています。
「南海トラフ地震がついに発生する」「大津波で日本列島が壊滅する」「政府はすでに知っていて隠している」といった内容も含まれており、不安をあおるような情報が拡散されています。
しかしながら、これらの主張の多くは科学的根拠に乏しいか、事実を誤解・誇張した内容です。
本記事では、2025年7月に災害が起こるという噂の出所や背景、そして実際に信頼できる公的機関の情報を元に、その妥当性を検証していきます。

噂の出どころと拡散の経緯
「2025年災害説」の出どころはさまざまですが、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 都市伝説系YouTuberやSNSインフルエンサーによる動画・投稿
- 占星術・予言書に基づいた未来予測
- 南海トラフ地震の周期的発生を根拠とした予測的な投稿
特に拡散力のあるYouTubeやTikTokでは「◯月◯日に津波が来る」「政府が準備を進めている証拠」など、断定的かつ感情的な内容が再生数を稼ぎやすいため、多くの動画がアップロードされました。
こうした情報には、出典不明または恣意的な解釈が含まれており、受け手がそのまま信じてしまう危険性もあります。
科学的な見地:南海トラフ地震は予測できるのか?
南海トラフ地震は、気象庁や内閣府が長年研究・想定してきた「今後30年以内に70〜80%の確率で発生するとされる巨大地震」です。
しかし、その具体的な発生時期をピンポイントで予測することは、現在の地震学では不可能です。
地震予知の限界については、地震調査研究推進本部でも繰り返し説明されています。
プレートの動きやひずみの蓄積から「将来的に発生しうる」ことは言えても、「何年何月に起きる」といった予測はできません。
過去の南海トラフ地震とその周期性
南海トラフでは、これまでに約100〜150年周期で巨大地震が発生しています。
例えば以下のような事例が知られています。
- 1707年 宝永地震(M8.6):津波被害が広範囲に及びました。
- 1854年 安政東海・南海地震:わずか1日違いで2つの巨大地震が連続発生。
- 1944年 昭和東南海地震・1946年 昭和南海地震:太平洋戦争中に大きな被害。
こうした歴史を踏まえると、たしかに「次の発生時期は近い」と考えられるのは事実です。
ただし、それが「2025年7月」と断定できる根拠はなく、周期性は目安であり絶対ではありません。
詳細は気象庁の過去地震データをご参照ください。
政府・自治体が公表する災害リスクと対策
実際に政府や自治体は、南海トラフ地震に対してさまざまな対策を進めています。
例えば、内閣府の想定被害報告書では、最大で死者32万人、津波浸水域は関東から九州まで広範囲に及ぶと試算されています。
また、各都道府県や市町村も独自の「津波ハザードマップ」「避難計画」「指定緊急避難場所」などを整備しています。
例えば:
なぜこのような噂が生まれるのか?
不安や恐怖に訴える情報は、人間の本能的な注目を集めやすいという心理的要因があります。
災害や終末論的な話題は視聴数・クリック数を伸ばしやすく、メディアや個人が意図的に拡散してしまうこともあります。
また、過去の大地震の記憶が風化しつつある今、「そろそろ来るのではないか」という漠然とした不安が、こうした噂を信じやすい土壌を作ってしまっています。
私たちにできる備えとは?
噂に右往左往するよりも、信頼できる情報に基づいた「日常的な備え」が重要です。
例えば:
- ハザードマップの確認(市区町村のHPで確認可能)
- 非常用持ち出し袋の用意(最低3日分の水・食料)
- 家族での避難ルート・避難所の確認
- 「南海トラフ地震臨時情報」への備え(気象庁が発表)
正しい知識と準備は、どんな災害が起こっても生き残る力になります。
まとめ:冷静に、科学的に判断する
2025年7月に巨大災害が来るという話は、現時点では根拠のない噂に過ぎません。
ただし、将来的に南海トラフ地震が発生する可能性が高いことも事実です。
不安に流されるのではなく、科学的根拠と公的機関の情報を基に「正しく恐れ、正しく備える」姿勢が、何より大切です。


