夏になるとグラスに氷を入れた冷たい飲み物が恋しくなりますよね。
よく見ると、氷はグラスの上のほうに浮いています。
でもこれ、よく考えるとちょっと不思議ですよね。
水を冷やして固めた「氷」は、同じ水からできているのに、なぜ沈まずに浮くのでしょう?

そもそも「浮く」「沈む」ってどういうこと?
まずは基本的なところから。
ものが水に浮くか沈むかを決めるのは、「密度(みつど)」という物理量です。
密度=重さ ÷ 体積(単位:g/cm³ など)
水に浮くためには、
「水より密度が小さい」こと
が条件です。
たとえば、
木:密度が水より小さい → 浮く 鉄:密度が水より大きい → 沈む
この原理でいくと、氷の密度が水より小さいということになります。
それが「浮く」理由なのです。
実際に数字を見てみよう
- 水(液体)の密度:約 1.00 g/cm³(4℃で最大)
- 氷(固体)の密度:約 0.92 g/cm³
→氷は 約8%ほど軽い!
そのため、氷は水面から約8~10%ほど上に出た状態で「浮く」のです。
じゃあなぜ、氷は水より密度が小さいの?
ここがいちばんのポイントです。
ふつうの物質は「固体になると密度が高くなる(つまり沈む)」のが普通。
でも水は逆。
その理由は――水の分子構造に秘密があるんです。
水の特別な性質:「水素結合」がカギ!
水(H₂O)は、1つの酸素原子と2つの水素原子からできています。
水分子どうしは、「水素結合」という弱い引力で互いに引き合っていて、
液体のときはバラバラに動いていますが、凍るときにきれいなパターンを作ります。
それが「六角形の格子構造(結晶)」です。
→ この構造では、分子と分子の間に**すきま(空間)**ができる。
その結果――
- 分子の動きは止まる(固体になる)
- でも、体積が増える
- だから、密度が下がる
- = 水に浮く
つまり氷は、「軽くなった」のではなく、「かさばっている」のです!
もし氷が水に沈んだら?
ちょっと想像してみてください。
もし氷が水に沈む性質だったら――
- 湖が凍るとき、氷は下に沈み、どんどん底から凍っていく
- 最終的に湖全体が凍り、生き物が生きていけなくなる
実は「氷が浮く」ことで、水の表面だけが凍って中は暖かく保たれるので、
多くの水中生物が冬を乗り越えられるのです。
「氷が浮く」という現象は、地球にとってとても重要なバランスを保っているのです。
まとめ
- 「浮く・沈む」は密度で決まる
- 氷は水より約8%密度が小さい
- これは、凍るときにできる六角形の結晶構造(=すきまが多い)による
- 水は「液体より固体のほうが密度が低い」という非常に珍しい物質
- 氷が浮くことで、水中生物の命が守られている
次に氷入りの飲み物を飲むとき、「この氷が浮いてるのは、水の分子のチームワークのおかげなんだな」と思ってみてください。
ちょっとした日常に、科学のドラマが隠れています。


