ビルのエレベーターに乗ったとき、
上に動き始める瞬間に「ズン」と重くなる感じや、
下に動き出した瞬間の「フワッ」と浮くような感覚を覚えたことはありませんか?
実はこれ、あなたの体に「物理の法則」が働いている証拠なのです。

フワッとする正体は「慣性(かんせい)」
この現象のカギを握るのが、慣性の法則。
ざっくり言うと:
「動いていない物体は、そのまま動かずにいようとする」
「動いている物体は、そのままのスピードで動き続けようとする」
という性質です。
エレベーターで体に何が起こっている?
では、エレベーターが下に加速して動き始めるとき、何が起きているのでしょうか?
1. あなたの体はもともと「止まっている」状態。
2. エレベーターだけが急に下向きに加速し始める。
3. でも体は「その場に留まろう」とする(=慣性)。
4. その結果、一瞬だけ体が浮くように感じる!
実際には浮いているわけではありませんが、エレベーターの床が自分の体より少し先に下に動くので、「ふわっ」と感じるのです。
逆に「ズン」と重く感じるときは?
逆に、エレベーターが上に加速するときはこうなります:
1. 体は静止している。
2. エレベーターが上に動き出す。
3. 体は「その場にいよう」とする。
4. エレベーターの床が体を持ち上げる形になる。
5. 一瞬、重く感じる(ズン!)
これは、エレベーターが体を無理やり上に引き上げているから起こる現象です。
重力との合成で「感じる重さ」が変わる
私たちが感じている「重さ」は、重力と加速度による力を足し合わせたもの(=見かけの重力)です。
- エレベーターが上に加速する → 重力 + 上向き加速度 → 重く感じる
- エレベーターが下に加速する → 重力 − 下向き加速度 → 軽く感じる
つまり、「フワッ」も「ズン」も、重さが変わったのではなく、感じ方が変わっているということなのです。
宇宙飛行士の「無重力体験」と同じ原理!
この「フワッ」という感覚、実は無重力体験の一歩手前。
飛行機で急降下して自由落下状態を作ることで、「本当に体が浮く」無重力を再現できます(これをパラボリックフライトといいます)。
エレベーターの「フワッ」も、小さな自由落下のようなものなんですね
まとめ
- エレベーターで「フワッ」と感じるのは、体の慣性が働くから。
- 加速度と重力の合成された力で、体が重く感じたり軽く感じたりする。
- 私たちは知らないうちに、物理法則を“体感”している。


